【フランスの外相ロバート・シューマンによるヨーロッパの石炭・鉄鋼生産の共同管理についての声明】
世界平和は、それを脅かす危機とつりあうように建設的な努力がされたときのみ保護されうる。
組織化された、活動的なヨーロッパが文明にもたらすことの出来る貢献というのは、平和な関係の維持において不可欠である。フランスは20年以上にも亘って統合ヨーロッパの考えを主張することで、常々それを平和の目的にかなう極めて重要な目標と見なしてきた。統合ヨーロッパが達成されなかったために、我々は戦争をしたのだ。
ヨーロッパは突然作られるわけでも、一つの全体的な計画に従って作られるわけでもない。それは何よりもまず、本当の団結をもたらすためにはたらく処置を講じることによって形成されるのだ。ヨーロッパの国家の集結には、フランス・ドイツ間の古くからの対立をなくすことが必要である。取られる行動はまず第一にこれら2つの国を気にかけなくてはならない。
この目標を考慮に入れて、フランス政府は1つの限定されたかつ決定的な点においてすぐさま行動を起こすことを提案する。フランス政府は、フランス・ドイツの石炭・鉄鋼の生産が、他のヨーロッパの国家の参加に開かれた組織の中で、共通の「権力当局」の下に置かれることを提案する。
石炭・鉄鋼の生産の共同管理は、ヨーロッパの連邦体における最初のステップとしての経済的発展のための共通の基礎の確立を保証し、長い間権力の生産、そして自身が不変の犠牲者だったということに捧げてきた地域の運命を変えることになるだろう(?)。
このように設立された石炭・鉄鋼の生産は、フランス・ドイツ間のどんな戦争も、問題外であるだけでなく実質的に不可能であるということを分かりやすくしてくれるだろう。参加しようとしている全ての国に開かれ、いつかは産業製品の基本的な要素という平等な条件を利用可能にすることが出来るこの力強い統一体は、経済的な統一に真の土台を与えるだろう。
この製品は差別や除外なしに、生活水準の向上や世界平和の促進への貢献として、世界全体に提供されるだろう。このように富が増大したヨーロッパは、その極めて重要な仕事、つまりアフリカ大陸の開発に従事することが出来るだろう。
これは単純かつ迅速に、経済共同体の設立に必要不可欠な勢力の融合をもたらし、長い間国々を残忍に分割してきた矛盾する利害関係を持つ国々の間に、より大きくより深い共同体の改革意識を導入するだろう。
基本的な生産の共同管理や、その決定がフランス・ドイツ、そして後に加わるだろうその他の国々を束ねているだろう権力当局によって、それらの提案は平和の保持に必要不可欠なヨーロッパ連邦のための初めての具体的な基礎を築くだろう。
そのように説明された目標を遂行するために、フランス政府は以下のような共通基盤に基づく交渉を始める用意がある。
この共通の「権力当局」に委ねられた仕事は、可能である最短の時間内で確実にすることになるだろう。生産の近代化とその品質の向上;加盟している国々の市場だけでなく、フランスやドイツの市場への平等な条件における石炭・鉄鋼の供給;他国への共同輸出の開発;そして生活水準とそれら産業における労働条件の改善のみではない平等化である。
それらの目標を達成するために、加盟国で広まっている生産の全く異なる状況の観点において、生産と投資の計画、価格均等化のための体系、そして生産の合理化を手助けする償却基金といった、ある種の移り変わる処置が講じられなければならない。加盟国間での石炭・鉄鋼の流れは直ちに全ての関税任務から免除され、差別的関税を負わせるつもりはないだろう。生産の最も合理的な配分を直ちに確立する状況は、最高レベルの生産性で次第に作り出されるだろう。
その目的が、制限的な実行と高い収益の維持を通して国全体の市場を分割したり開発したりすることにある国際カルテルと比べると、提案されたその組織は市場と生産の拡大の融合を確立することだろう。
上で否定された行動基準と基本的な事業は、承認のために議会へ提出される国家間条約の主題となるだろう。履行の詳細を作り上げるよう要求された交渉は、共同して指名された裁決者で運営されるだろう。後者の義務は、協定が道義に従っていることを見ることと、最終的な決裂の成り行きで解決策を採用するかを決定することになるだろう。システム全体の施行を託された共同の権力当局は、政府によって平等性に基づいて選ばれた、独立した構成員によって構成されるだろう。議長は共通の合意による政府によって選ばれるだろう。彼(議長)の決定はフランス・ドイツ、そしてその他加盟国で執行できるだろう。その権力に次ぐ国際連合の代表者は、半年に1回新しい組織の作用について国際連合に公的な報告を書くこと、特にその平和な目標を守ることへの関心が課されている。
権力当局の設立は、事業の所有権の問題について決して早計に判断はしない。その任務の行使において、共同の権力当局は国際的なルールの当局(?)で話し合われた力と、ドイツに課せられたどんな義務をも、それらが存在する限りは考慮に入れるだろう。
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