[4.言語・コミュニケーション] No.11

 音を使用しないコミュニケーションの2つの重要な要素が「ジェスチャー(身振り)」と「ボディーランゲージ(身体言語)」である。

 ジェスチャーはある特定の意味を伝えるために意図的に用いられ、普通は特定の言葉や表情と結びつけられる。双方向コミュニケーションに関する多くの本は、異なる文化でのジェスチャーを比較することに焦点を置いている。例えば、日本では自分の鼻を指すことで自分自身のことを言うが、英語圏では胸を指す。日本人は前腕を交差させて「いいえ」を示すが、このジェスチャーは英語では何の意味も持たない。こうした違いは興味深く、それらを知ることは良いことだが、時にそれらは深刻なコミュニケーションの問題を引き起こすことがある。

 一方ボディーランゲージは、無意識であり、考えではなく私たちの内面的な精神や感情の状態を伝えるのに用いられる。私たちの顔や、身体の動き、空間の使い方の全てが、私たちがどう感じているかを反映しているのである。友達が幸せに感じていないかどうかは、その人をただ見るだけで、多くの人が簡単に見分けることが出来る。人々がこうする時は、その人のことや環境を読み取るが、その友達が幸せでないという印象を何が与えているのかを、普通は正確に知らずに行っている。それはもしかするとちょっとした表情や体位、その人にとっては普通でないところにいること(例えば、地面に一人で座っているなど)や、普段の行いをしないことかもしれない。これら全ては感情的に感じられるのであり、言語には頼らないのである。

 あなたが何をしようとしまいと、そしてあなたがどこにいようと、あなたに気がつく人は皆あなたのことを読み取り、あなたについて何らかの印象を受け取るのだ。その印象は間違っているかも知れないが、私たちの環境から意味を得るという過程は、決して止まることがない。写真を撮っている間に気付かれないように旅行者のような服を着るスパイは、このことを巧みに利用しているのである。

 私たちは家族や友達の感情や意志をとてもよく読み取ることができるし、私たちの文化以外の出身の人についてもある程度読み取ることができる。しかし、他の文化出身の人の感情や意図を正確に読み取ることは、難しいか不可能だろう。その理由は詰まるところ、単に個々の人間性の相違というだけにはとどまらない。異なる文化では異なるボディーランゲージを使用する。微笑みは日本では恥ずかしさを意味するかも知れないが、アメリカ人には友情だと誤解される。ためらっている時に無表情でいることは日本では通用するかもしれないが、他の文化では冷酷であると見られるのだ。

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